月桃はショウガ科ハナミョウガ属の多年草植物で、九州南端から沖縄、台湾を経てインドまで広く分布しています。月桃という美しい名前にふさわしく、6〜7月頃にかけて、小さなランに似た美しい房状の黄色い花を咲かせます。沖縄では昔から、ムーチーと呼ばれる餅菓子を保存するために日常的に使われてきましたが、これは5月の節句に笹の葉で餅を包む本土の習慣とよく似ています。 他にも、月桃が繁茂しているところには雑草が生えにくい。 月桃の葉を体にこすりつけると虫に刺されにくい。 すり傷に月桃の汁を塗ると治りやすい。タンスに月桃の葉を入れて防虫剤の代わりにする 。月桃の葉のエキスでゴキブリなどの害虫を駆除する。さらには、実のつかないパパイヤの周囲に月桃を植えたら実をつけたなど、さまざまな活用例が報告されています。
月桃の実(種子)は漢方薬として、健胃整腸・消化不良・嘔吐・下痢・虫下しなどに用いられています。実の主成分は精油分で、シネオール、アルピネチン、カルダモニン、ピネン、αーカリオフィレン、セスキテルペンアルコールなどを含んでいます。最近の研究では、活性酸素を除去するポリフェノールも多く含まれていることが明らかになり、生活習慣病の予防など幅広い分野への応用が進められています。 また、月桃の葉や実から作ったお茶には鎮静効果 があるとされています。
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