北海道と近畿以北の高原や深山に自生する多年草です。本州中部では亜高山地帯の針葉樹林に群生します。 チューリップに似た肉厚の葉を持ち、株に近づくだけでその名のとおりニンニク臭があります。 ニラやノビル、山ラッキョウなどのネギ属植物のうち、葉が扁平しているものの中で最も葉幅の広いのが行者にんにくです。 早春に、長さ20p、幅5〜10pほどの長楕円形の葉が2枚出ます。葉の基部は細くなっていて花茎を包むようになっています。 初夏には葉の中央から50pほど花茎が伸びて、その先端に白色の小花が散形花序に集まって付きます。 また、地下の茎は長さ4〜6pのラッキョウのような形をしていて、葉鞘(ようしょう)が網目状の繊維で包まれています。北海道では、春一番の恵みとしてヌタやオヒタシにして食されていました。 その一方でキトピロ特有の強烈な匂いを嫌う人も多いのですが、 近年になってこの匂いにジアリルトリスルフィドという すばらしい成分が含まれていることがわかりました。 また、動脈硬化、脳梗塞、ガン予防などの他、さまさまな効果が明らかにされています。
(1) 動脈硬化、脳梗塞予防 日本大学農獣医学部農芸化学科、の教授らにより主要成分のメチル・アリル・トリスフィドは動脈硬化、脳梗塞予防になることが明らかにされています。 (2) ガン予防 : アリシン及びギアルキル・オチスルフィーネトが、悪性腫瘍の増殖を強く阻害出来るとされています。 (3) 抗菌作用 : 含硫アミノ酸の酵素アリナーゼはインフルエンサ、膣炎、肺結核等の炎症の制御、防止効果があるとされています。 (4)その他 : 血液サラサラ、冷え性などにも効果はあります。
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