ニンニクは古代エジプトの時代から、スタミナ源として食されてきました。 匂いの元はアリシンという成分で、これがビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、糖質の分解、吸収を促してエネルギーを作り、疲労回復を早めます。またアリチアミンは体内のビタミンB6と結合し、インスリンの分泌を助け血糖値を下げる効果があります。
風邪などの回復を早めるのは、このアリシンとスコルジニンという成分が関係しています。 スコルジニンには、新陳代謝を活発にする、強壮作用がある、などの効果があります。
アリシンの中のメチルアリルトリスルフィド(MATS)という種類の成分は、抗血栓作用が強力で心臓病や、脳卒中を減らす効果があることが分かりました。
強烈な匂いを嗅いだだけでも、スタミナが涌いて来きそうなニンニクですが、あの独特のニンニクの臭いは、含まれるアリイン(Sー2ーアリルーLーシスティンスルホキシト)が酵素・アリナーゼによつてアリシン(ジーアリルーチオスルフィン酸エステル)に変わると発生します。アリイン自体は臭いません。生のニンニクの中では、アリシンとアリナーゼが、丁度、右と左のポケットに分けて入れられているように、別々の組織に存在し、混ざり合うことがなく、臭わないのです。それが刻まれたり、おろされたりすると、細胞が壊れ、アリインとアリナーゼか混ざり、アリシンが出来て、臭い始めるのです。なお、臭い成分・アリシンはビタミンB1(チアミン)と結合し,ビタミンB1分解酵素の作用を受けない安定的な化合物(アリチアミン)となり、腸から吸収されます。
アリチアミンは、新陳代謝を活発にし、血行を促し、食欲を増進させ、その上、殺菌作用もしめします。このような力を出すニンニクですから、地方によっては軒先につるして、邪気払いに利用する風習などがあったりもするわけです。あのドラキュラを追い払うにもニンニクがでてきますが、これも“すぐれもの野菜”の国際的評価でしょうか。また、アリシンには、風邪や気管支炎の原因になる連鎖球菌やブドウ状球菌などを殺す強い抗菌力があります。疲労、風邪のひかけの時、ひとカケラのニンニクが最も効果を発揮します。
メチルアリルトリスルフィド(MATS)……ニンニク精油に含まれ、血小板の機能を抑える作用を持ちます。
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