アオサ科アオサ属 日本各地の海岸に近い岩石に付着している、緑藻類アオサ科の海藻です。主に食用にするのは、アナアオサといって葉に穴や裂け目の出来るもので、大きさは20〜30cmのものです。たんぱく質やカルシウム、カリウム、ビタミンC などが豊富に含まれています。 成長につれて体に穴があいたり、裂けたりします。晩秋から初夏にかけて繁茂しますが、食用は初春ころに採取するのがもっともよいと言われています。 アサクサノリの養殖に用いるノリヒビ(海中の干潟に立てている竹の杭)に付着するので、養殖業者には嫌われていますが、アサクサノリとのまじりノリは”通”に喜ばれるほど美味で、そのぷーんとする香りは、このアナアオサに負うところが多いのです。 アオサの良さは、何と行ってもその緑色の鮮やかな美しさと、香りです。澄まし汁などに、吸い口として少量加えますと、お椀の中に豊かな香りが拡がって、いかにも春が来たという感じがします。香気は含有しているジメチルファイドのせいです。 乾燥して保存します。また、乾燥粉末の「青粉」にもしますが、乾燥品は日が経つと風味がなくなってしまいます。
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